キルギスの首都・ビシュケクの街中には、いたるところに赤いパラソルを立てたドリンクスタンドがあります。
中には、隣り合って2つ並んでいたり…
通りの向こうとこちらで向かい合っていたり。
とにかく、コーナーごと、信号ごとにあると言っても過言ではないくらい、このドリンクスタンドがあるのです。
そして、人々がつぎつぎにこのスタンドに立ち寄り、紙コップやペットボトルでドリンクを買っていきます。
麦やミルクを発酵させたキルギス伝統の飲み物
この飲み物、キルギス……というか旧ソ連圏では一般的な国民的ドリンクだそうで、麦やミルクを発酵させて作られているのだとか。
ミネラルが豊富だという話を聞き、「それなら飲んでみたい!」と挑戦することにしました。
お値段」は、2022年7月時点で紙コップサイズが16ソム(約25円)でした。
どのドリンクスタンドも共通して、赤・青・茶の3色の樽が並んでいて、樽の色で中身が違います。
赤:ショロ
青:チャラップ
茶:クアース(クバース)
赤い樽はショロ
このミルクティーのような色の飲み物が「ショロ」。
大麦を発酵させて作った飲み物で、表面には麦の粒が浮いています。ミロのような香りがしますが、味は酸味が強く、シュワシュワしていてミロとは全然違います。
なんだろう、この味。初めて。
これまで飲んだどんな飲み物にも似ていません。
最初は「!?」となりましたが、3口くらい飲むと慣れて、なんだかおいしいような気がしてきます。
青い樽はチャラップ
青い樽に入っているのは、ミルクを発酵させたチャラップ。
見た目は飲むヨーグルトのような感じですが、こちらも発酵しているので炭酸が発生していて、酸っぱいです。
酸っぱいヨーグルトが好きな人はいける。
茶色い樽はクアース(クバース)
茶色い樽に入ってくるのがクアース(綴りではクバース)。
コーヒーや麦茶のような色ですが、こちらも発酵しています。
そして、クアースは甘いです。これだけすっぱくありません!
私は、気の抜けたコーラのような味だと思いました(コーラほど甘くもなければ炭酸がきつくもないです)。
これが一番飲みやすかったです。
ショロとチャラップのミックス、ドララッシュ?
ショロを頼んでドリンクスタンドの脇で立ち飲みをしていると、後から買いに来た人が、ショロとチャラップのミックスを買っていて「そんなアレンジあるんだ!?」と驚きました。
実はこれ、チャラップの樽に掲載されている「公式アレンジ」。読み方はドララッシュ?ダララッシュ?かな。
先程注文して飲んでみたのですが、味はチャラップが強め。混ぜると炭酸が強く発生するようで、ミルクフォームのような細かい泡が表面にたくさん浮きます。
見た目はカフェラテみたいでおいしそうなのですが、やっぱり「酸っぱい!」。
けれどキルギスのとても乾燥した空気の中では、これがおいしく感じるから不思議です。
なにより、ミネラルを補給できているという満足感もあるしね…
ドリンクはこんな風に、樽の後ろに蛇口がついていて、手動で注いでもらう感じです。
このドリンクスタンドで売り子をしているのは漏れなく女性。
まだ若い学生くらいの子もいれば、お母さん世代、子育てが終わったくらいの世代まで幅広いです。
ドリンクスタンドは、夜21時くらいまでやっていて、皆さん長時間労働です。
暑い中、お疲れ様です。