昨日、ビシュケクからキルギスの南にある第二の都市・オシュへ移動してきました。
2022年時点での、ビシュケクからオシュへの移動方法を紹介します。
ビシュケクからオシュへ移動する方法は2つ
ビシュケクからオシュへ移動する方法は2つあって、国内線の飛行機か乗り合いタクシーです。
- 飛行機(40分、約15,000円)
- 乗り合いタクシー(約12時間、2000ソム<約3,500円>
飛行機だとあっという間ですが、乗り合いタクシーはかなりのロングドライブ。けれど車窓から見える景色は絶景だと聞いています。
車の移動は好きなのですが、仕事をしながら旅をしていることもあり「さすがに12時間は厳しい…」と考え、ビシュケクからオシュへは飛行機で移動しようかとチケットを探すことに。
ところが……
飛行機で移動!ビシュケク→オシュ便の夏のチケットは早期予約必須
インターネットでビシュケクからオシュのフライトチケットを検索すると(7月末時点)
3日に乗り継ぎをして22時間かかるチケットが10万円超、それから8月末の2日間しか取得できるチケットがありません。
あれ!?
飛行機、飛んでないの???
不思議に思ってゲストハウスのママに確認すると
「ビシュケクからオシュへの飛行機は毎日飛んでるはず。けれど7月8月はキルギスの観光シーズンだから、売り切れているのでは」
とのこと……!!!
特に今年はロシアからの観光客が多いため(政治的・軍事的な背景から、現在ロシア人は多くの国に入国できない、もしくはビザの取得が難しくなっています。そのため、多くのロシア人がこの夏のバカンスの行き先として、旧ソ連圏のロシアと良い関係を保っている国しか選べないそう)、チケットが早々に売り切れているのかもしれないということでした。
というわけで、ビシュケクからオシュへの飛行機移動の道はあっけなく断たれ、乗り合いタクシーで移動することになりました。
オシュ行き乗り合いタクシーが客を集めている場所
オシュ行きの乗り合いタクシーがあるのはオシュバザールの南側です。
赤丸がオシュバザール。
川を超えた青丸のあたりに乗り合いタクシーがたくさん止まっています。
私は宿からヤンデックスでタクシーを呼び「オシュへ行きたいので、オシュ行きの乗り合いタクシーがある場所まで連れて行って」と頼み、ヤンデックスのドライバーがオシュ行きの乗り合いバスを探してくれました。
ところが、朝7時に行ったものの、待てども待てども私とローカルっぽい少年1名以外に乗客が来ず…
ゲストハウスのママに、「最近は緑丸のガソリンスタンドのところにも乗り合いタクシーがいるらしい」と聞いたのでそちらにも行ってみたところ、そこにもオシュ行きのタクシーが。
けれどこちらも乗客ゼロ。
どうやら2つの場所で客を集めているため、効率的に集まっていない様子でした。
青丸と緑丸は徒歩3分くらいなので、両方を回ってある程度乗客を集めているタクシーを選ぶと、早く出発できると思います!
青丸のガソリンスタンドの地図はこちら。
私は青丸の位置で待ったのですがぜんっぜん乗客が集まらず、なんと5時間半待ちました…(朝7時にオシュバザールについて、出発が正午の12時半)
観光シーズンなので、オシュに行きたいヨーロピアンの観光客と一緒になるかなと思ったけれど、他の乗客は全てローカル!(後からわかったけれど、ウズベキスタン人も2人)。
おそらく、ちゃんと計画して旅している観光客はみんな飛行機を選んでるんだよね……
ビシュケクからオシュへの乗り合いタクシー、2022年の相場は片道2000ソム
コロナ禍以前までの旅人のブログを読むと、ビシュケクからオシュへの移動は
- セダンなら1500ソム
- バンなら1000~1200ソム
が相場だそう。
ところが金額を聞くと、どのドライバーも「2000ソム」と!
最初は観光客だから吹っ掛けられているのではないかと思ったのですが、同じくオシュ行きの乗客が集まるのを待っているキルギス人ファミリーにも確認したところ「2000ソムだよ」とのことなので、値上がりしているんですね。
それにしても値上がり率がえぐいです。
5時間待ちも、悪くなかった
正直5時間も待つとは思わなかったのですが、待っている間にキルギス人ファミリーと仲良くなり、翻訳アプリを使いながら交流させていただきました。
オシュから息子の結婚式のためにビシュケクに来たというウラさん。息子夫婦は3日前に結婚式を挙げました。
2人とも22歳だそう。
なかなか出発しないタクシーを待つ間、新郎である息子さんはその辺にある四角くてかなりでかい石を拾ってきてお母さんが座る椅子の隣に置き、彼女に「ここに座って待ちなよ」みたいなことを言ってあげたり、彼女の頭をなでたり手を繋いだり、もうほんとかわいい!素敵なご夫婦。
結婚式で皆が会食している動画を見せてくれて、ニコニコしながら指輪も「見て」というようにアピール。
幸せをお裾分けしてもらいました。ありがとう~!
待ち時間があまりに長いので、ウラさんがソフトクリームを買ってくれて、皆で並んで食べました。
日本のソフトクリームよりさっぱりしている感じかな。
美味しかったです。
日本だったら「こんなに待たせて!」とぶちキレていたと思うのですが、キルギス人(とウズベク人)の皆さんはイラつく様子もなくのんびり煙草をふかしたりお喋りしたりしながら待っています。
そんな人たちの中にいると私も「そういうもんかな」という気になり、ただひたすらオシュバザールに行きかう人を眺め「来るかどうかわからない人を待つ」という不思議な時間を過ごしました……
日本人があんなに時間にうるさくてイライラするのは、周囲の人たちもイライラするからなんじゃないかな。
キルギス人のゆるさの中にいると「ま、いっかぁ…」という気分になります……
オシュまでの乗り合いタクシー(というかバン)は人だけでなく荷物も運んであげる様子。バンの天井にまで荷物をどんどん積み上げます。
12時半頃、若い一人の男の子が来て、ようやく6人の客が揃い出発。
あの5時間半、ウラさん家族に会わなかったらかなり辛かったかも。
ありがとう、ウラさんと新婚さん!
キルギス人もウズベク人も、みんな優しい
オシュまでの道中13時間、ドライバーさん、ドライバーさんのアシスタントくん、他の乗客の皆さん(うち2人はウズベク人)が、ロシア語ができない私を細かく気遣ってくれました。
食事休憩のときも一緒のテーブルに誘ってくれて、あの大きな丸いパンをちぎって渡してくれたり、お茶をいれてくれたり、「何食べたい?」と聞いてくれたり(ラグマンしか知らないし、ラグマンなら間違いなく食べられるからラグマンなんですけど・笑)、食事の後「トイレはあそこだよ」と教えてくれたり。
最後にオシュに到着して予約していたゲストハウスに送ってくれたのですが、その時も私がゲストハウスの門をくぐるまでニコニコしながら見守ってくれていて、ビッグスマイルで「パカ!(バイバイ!)」と言って手を振って去っていきました。
さすがに5時間待ちからの13時間ドライブは疲れたけれど、こういう状況でなければ触れることがなかったであろうキルギスの人々の優しさや明るさに触れることができて、よかったです。
ちなみに、道中はウワサに聞いていた通り絶景続き!
道にあふれる羊に車がいったん止まるという狙っていた事態にも遭遇できて幸せでした。
ただ、バンの窓には黒いシートが貼られていたため、写真は取れず……
残念です。
あの風景を見られるのは、13時間ドライブをした特典だと思うと、まあ結果オーライかな!