シーラーズの街の中心にあるモスクをあらかた見学したので、ちょっと足を伸ばしてハーフェス廟まで行ってみることにしました!
ハーフェス廟で小鳥に占いしてもらう
ハーフェス廟まではちょっと遠いので、タクシーで向かうことに。ゲストハウスの近くを通りかかったタクシーを止めて「ハーフェズ廟まで」というと、20万リアルと言われました。
高いような気がするけれど、そんなものかな?と了解し、ハーフェズ廟まで。
ハーフェズ廟のまには小鳥を連れたおじさんがいて、詩人ハーフェズが書いた詩の一部がコピーされた紙をたくさん持っています。
近づくと、小鳥が1枚の紙をくちばしに咥えて引き抜き、ペルシャ語で書かれたその紙と、英語訳がある紙を差し出してくれました。
断ろうとすると「ただでいいよ」と。
でもそれは悪いな、と思っていると、そこを通りかかった女性がおじさんに紙幣を手渡して通り過ぎていきます。
なので、私も真似してちょっとだけおじさんに渡し、ハーフェズ廟に入りました。
日本人にはあまり面白くない?ハーフェズ廟
階段を上がった先にハーフェズの棺があります。
ハーフェズ廟にあるのは、東屋の下の棺と、棺がたくさん納められた建物。
あとは公園になっていて、のどかな憩いの場所。
敷地内にカフェがありましたが、ラマダン期間中のため閉まっていました。
ハーフェズの詩が書かれた石碑がたくさんありましたが、ペルシャ語が分からずハーフェズの詩を読んだこともない人には、猫に小判という感じかも……(私のことですが)
誰かのお墓だけど、誰のお墓なのか不明。
室内には、詩が書かれた石がたくさん。
何が書いてあるんだろう……
タクシーに乗ってわざわざ来たのはいいけれど、あっという間に見終わってしまいました。
これからどうしよう、と公園のベンチに座って考えていると……
アフガニスタンから来た留学生との出会い
2人連れの女の子が、どこから来たの?と声をかけてきました。
お互いに自己紹介したところ、彼女たちはアフガニスタン人の姉妹。現在シーラーズの大学に留学していて、薬学を勉強中です。
実は今日、彼女たちのパパがシーラーズに遊びに来ていて、家族でハーフェズ廟を見に来たのだそう。
そんな中、パパが、ひとりでベンチに座っている私を見て「あの人は1人で来たのかな、ちょっと声をかけてきてあげなさい」と娘たちに言ったことから、話しかけてくれたのです。
きっちり髪の毛を隠すヒジャブ姿は、一般的なイランの女の子よりもストイックです。そして上品。
「もし、あなたがどこか見たいところがあるなら、案内します。私たちはシーラーズに住んでいますから」
と、うれしい申し出をしてくれた姉妹!
せっかくだから、と甘えてみることにしました。
シーラーズのマスジェド・ジャーメ
地球の歩き方にはシーラーズで一番古いモスク「マスジェド・ジャーメ」が載っているのですが、実は地図を頼りに近くに行ってもどれだか分からず、まだ見学できていませんでした。
そこで、「マスジェド・ジャーメに行ってみたい」と伝えてガイドブックを見せると、「ここは私たちも行ったことがない」と2人。
東京に住んでいる人がスカイツリーや東京タワーに行かないようなものなのかもしれません。
「じゃあ、タクシーで行こう」
と姉妹がアプリでタクシーを呼び出し(Snapp)、この時初めて、イランで使えるタクシーアプリがあることを知りました。
「ぜひインストールして使った方がいいよ」と教えてもらったのが、イラン出国の前日……でしたが、ここでアプリを知ることができてとても良かった!
さて、シーラーズに住む姉妹が「私たちも知らない、言ったことがない」というマスジェド・ジャーメでしたが、タクシーの運転手も「え、どこ?」という感じで道に迷い、同じところを何度もグルグル走り、いろいろなところで車を止め、その辺にいる人に「マスジェド・ジャーメの場所知ってる?」と聞き、到着までかなり長い時間がかかりました。
姉妹がシーラーズのマスジェド・ジャーメを知らなかったのは、東京に住んでいる人が東京の観光地に行かないのと同じではなく、そもそもマスジェド・ジャーメ自体が人々に知られていないからだったのです……
さて、ようやくたどり着いたマスジェド・ジャーメですが……
閉まってる。
え、地球の歩き方には「年中無休」って書いてあるけど!?と焦ると、「今日は金曜日だから」と姉妹。
イランの金曜日はもう完全にどこもかしこも閉まってしまい、バザールも大通もシャッター通りになります。でも、モスクも閉まっちゃうんだ……
ちょっと残念な気持ちになっていると、なんとパパさんが「誰かいるはずだから、ドアをノックしてみなさい」と娘さんに。
いやいや、でもお休みだと難しんじゃ……
と思ったのですが、すぐに人が出てきて、なんと、モスクを開けて中に入れてくれました!
ノックしてみるもんだね……
そんなパパさんと娘さんたちの努力の甲斐あって入ったモスク内でしたが……
あちこち崩れていて、修理中のところもあって、「大々的な補修を要する」感満載でした。
モスク自体は広くて、すごく歴史を感じます。
人が全然いないのも嬉しい!
なんか、ワイルドだけど……
場所をはっきり知らない地元の人も多い、シーラーズのマスジェド・ジャーメですが、エイバーンは大きくて、ミナレットもちゃんとあります。
モザイクもある!
ちょっとだけ鍾乳石飾り。タイルが貼られていないのが非常にもったいないのですが、ここにタイルを張るより、修復しなくちゃいけないところが多くて、お金が回らないんだろうなあ……。
あまりにも残念な感じで、連れて来てくれたアフガニスタンのファミリーに申し訳ないと思っていたのですが、パパさんはとても熱心に写真を撮っていました。
というのも、モスク内にある案内のパネルにこのモスクの建設に関わった人の名前が書かれているのですが、そのうちの一人がアフガニスタンの偉人なのだとか!
それを知り、とてもうれしかったようです。
さて、モスクを見ながら姉妹と話したのですが、アフガニスタンはリアルで一夫多妻制らしく、兄弟が10人以上いるのは珍しくないそう。
この姉妹も7人兄弟の長女と次女だそうで、「あなたたちのパパにも、奥さんが何人かいるの?」と聞くと「うちのパパの奥さんは私たちのママだけ。とてもいい男性よ」と。
一夫多妻制、当然ながら女性からすれば嬉しいシステムではなく、妻が複数いる場合、彼女たちの仲はもちろん良くないという話を聞き「そりゃそうだろうな」と思いました。
とても親切なアフガニスタンのファミリーと出会い、一緒にモスク見学ができたのはとてもラッキーでした。