さて、春江からJR北陸本線に乗り金沢方面へ進むと少し先に「芦原温泉」駅がある。
芦原温泉には複数の日帰り温泉を楽しめるところがあるのだけれど、実はJRの芦原温泉駅と、温泉が集中するエリアは5キロほど離れている。温泉に行くならえちぜん鉄道のあわら湯のまち駅を使うほうが便利。本当は。
まずは取材を終えてお腹がぺこぺこなので、温泉に向かう前に腹ごしらえをすることに。
目的はもちろん、越前そば(おろしそば)!
芦原温泉駅を出てすぐ左手にある風情のあるお店「しのぶ庭」に入ると、まだ17時過ぎだったからかお客さんは皆無。
お店の中はとても落ち着いた良い雰囲気で広い。
メニューもけっこう豊富。
席についておろしそばをオーダー。
出てきたお蕎麦はあっさりした風味で、大根もそれほど辛くないタイプだった。
とりあえず「福井でおろしそばを食べた」ということに満足し、次は日帰り温泉へ移動すべく、駅の観光案内を訪れると……
「これから(17時すぎから)1人で日帰り温泉に入るなら、公衆の温泉しかない」と言われてしまう。
事前にネットで調べたところ、あわら湯のまちの温泉旅館でも日帰り温泉をやっているところがたくさんあったはずだけれど……と問い合わせると
「それは、日帰り温泉手形っていう3枚つづりの手形を買う必要があるんです。でも今からだと1人で3ヵ所回るのは厳しいですから、手形なしで入れる温泉ってなると、公衆の温浴施設だけになってしまうんです」
と説明してくれた。
なるほど。
ちなみに手形が無くても入浴できるのは、
セントピアあわらは数年前に行ったことがあるから今回は除外。ちなみにここは広くて現代的。そしてお湯がとても熱かった記憶が。
観光案内でそれぞれの特徴について聞いてみると
「セントピアは地元の人がよく行くところで、遅くまでやっています。大江戸温泉はショーをやったりもする大きな施設で、昔は有名なホテルだった場所です。芦原荘は宿泊施設なんですが、この中ではいちばんお風呂はこじんまりしています」
なるほど!
福井まで来て大江戸温泉もないよな、と思ったので、芦原荘に行くことに決定。アクセス方法を聞いてみると、駅前からバスかタクシーになるとのこと。
ちなみにバスは1時間に1本で、この後しばらく来ない様子なので、タクシーに乗ることに。
芦原温泉→あわら湯のまちまで、タクシー代約1,600円。
タクシーで移動中、あられ混じりの雨が降り出してタクシーの中がすごい音に!
運転手さん曰く「これがもっと大きなつぶになると、うるさくて話もできんです。福井ではよくあります。でも昔に比べると、雪が積もらなくなったねえ。雪が降っても、次の雪が降るまでの間が長いから、その間に溶けちゃって」
とのこと。
運転手さんの話だと、ドカ雪が降った年に収穫したお米はとても美味しいので、雪が少ないというのも「ちょっとな……」という感じらしい。
芦原荘の温泉は40度と43度の温度の違う内風呂が2つ。そして半露天が一つ。
けれど半露天もお湯の温度がかなり熱くて、あまりゆっくり浸かることが出来なかった。
しかしながら、お風呂に浸かっている間、一緒になったおばあちゃんとおしゃべりをするというサプライズな楽しみが。
おばあちゃんと話していたら娘さんが洗い場からやってきて「誰と話してるの?」とおばあちゃんに問うと……
「知らない人」
とおばあちゃん(笑)
ま、確かに知らない人だけれど。
芦原荘の温泉では源泉を飲むこともでき、大満足で温泉を後にする。
ちなみに芦原荘の目の前には、足湯が楽しめる「芦湯」がある。そして芦湯と駅の間には小さな屋台村が。4畳半ほどのスペースにバラエティ豊かな小さなお店が軒を連ねていたけれど、お腹の中はさっき食べたお蕎麦でまだいっぱい……
そんなわけで、屋台村には寄らずに、福井へ戻ることに。