観光客が集まるところには、だいたいあると言って差し支えない「マッサージ」。中国人が多いところは中華式の足つぼや指圧が、タイ人が多いところはタイマッサージのお店があります。
ところがイランでは本当に「マッサージ」に関するものを見かけることがなく、「やっぱり国の決まりがいろいろきびしいからなんだろうなあ」なんて思っていたのですが……
2019年末、エスファハンの旅で見つけてしまいました!
マッサージが受けられるイランの施設「ペルシアン・バス」を!
ペルシアン・バス Qazi Persian Bath
ペルシアン・バスを見つけたのは、エスファハンで予約した宿に向かうタクシーの中。
だいぶ宿に近づいてきたエスファハンのイマーム広場北東に広がるオールドタウン内で「Qazi Persian Bath」と書かれたドアを!
え、バス!?
お風呂があるの??
とかなり驚いたのですが、宿泊したゲストハウスに「Qazi Persian Bath」のパンフレットがあり「本当は1回20ユーロだけど、ゲストハウス割引で18ユーロになるよ」という言葉を受け友人と行ってみることに。
エスファハンのジャーメモスクの近くで、ジャーメモスクから歩いて行ける距離です。
こちらが受付。
1回約3時間かかり「3つのお風呂がある」とのこと。
ちなみに、下だけ水着が必須ですが、タオルなどは不要です。
最初に紅茶とデーツが出てきて、紅茶を飲みながら説明を受けていると、お風呂に入り終わったと思われるヨーロッパ人一行が戻ってきました。
なんだかみんな、満足気な表情。
紅茶を飲み終わるといったんこの受付がある部屋から外に出て、隣のドアを案内されます。
ドアの内側にはスカーフを被っていない女性が待ち構えていて、私たちを奥へ案内してくれました。
最初に連れていかれたのが、こんな広い空間。
ここは脱衣所で、「下だけ水着になって後は全部脱ぐように」と言われます。そして渡された薄い布を体に巻き、まずはシャワーへ。
温かいお湯が降り注ぐシャワーの下で軽く全身を流すと、次は広いお風呂へ案内されました!
青いタイルに囲まれたお風呂にはなみなみと張られたお湯が!
久しぶりの湯舟だ!と大喜びして私たちが入ると、案内の女性が壁に付けられたボタンを押します。
すると、壁面から泡が噴射!
なんとジェットバスでした。
ボタン1回で1分ほど泡が出るシステムのようで、大喜びしてはしゃぐ私たちに繰り返しボタンを押してくれるお姉さん。
お湯はいいかんじにぬるくて、ずーっと入っていられそうなくらいの温度で最高!
アカスリ&「全自動私を風呂に入れてくれるお姉さん」に洗われる
暫くジェットバスで遊んだあとに連れていかれたのは、中央にお湯が張られた泉があり、両側に横長の椅子がある空間。
椅子の上に横になるようにジェスチャーで示されます。
まずはうつ伏せになると、まさかのアカスリ開始!!
日本でもアカスリを受けたことがない私は、アカスリ初体験!
スゴイ、なんだかすごくいっぱいアカが取れてる感じがする!!
ちょっとヒリヒリして痛いけど!
裏も表も全部をしっかりアカスリされた後は、中央の泉からお湯を組んで全身を流され、取れたアカは排水溝へ。
次に椅子に座るようにサインされて腰掛けると、頭からザパーッとお湯をかけられてシャンプー開始!ものすごく泡立つシャンプーでしたが……
日本の美容院のシャンプーと比べると、非常に大味な感じで……
これなら、私がここでシャンプー係として働いたら、あっというまにすごい指名が取れて大人気になれるのでは?と思いながら髪の毛を泡だらけにして洗ってもらいました。
続けて、全身を石鹸でゴシゴシ洗われます。裏も表ももれなくまんべんなく全身を洗われたあと、顔もゴマージュ!
オタクの私は女性向けアプリゲーム「A3!」を長らくプレイしているのですが、A3!のキャラクター茅ヶ崎至がときどき口にする「全自動俺を風呂に入れてくれる機械が欲しい」というやつが、まさにこれだ……と、イラン女性に全身を洗われながら考えていました。
全部を洗い終わってぬるま湯で流されると、今度は床の上に横になるようにサインされます。
完全にお姉さんに言われるがままの私。床に長々と寝そべると、今度は石鹸水を全身に振りかけられ、全裸の状態(水着のパンツだけは履いている状態)で素手によるマッサージ開始!
これは凄い!
なんか状況だけ聞くとちょっとエロいんだけど、実際は全然エロくないどころか、私はまさに、まな板の上の鯉状態。
反対側で同じようにマッサージを受けている友人が「こっちの足はケガしてるから触らないで」とか言ってるのが聞こえる!
うわぁー!
途中で裏表逆になるようにサインされ、裏も表も漏れなく全部、お姉さんが力強くマッサージし、お湯でざばーっと流してくれました。
最後はプールで泳ぐ!
全部洗ってマッサージを受けた後は、最初のシャワースペースに戻り、そこにある広い温水プールに浸かり、ちょっと泳いでみたりもしました。
だいぶ広いけれどプールにいるのは私と友人だけなので、ここでバタフライの練習をして、見事泳げるようになりました。
思う存分温水プールで水中ウォーキングしたり泳いだり話したりした後は、もう一度シャワーを浴びて脱衣所へ。戻る途中、体を拭く用の新しいタオルをもらって、ゆっくり身支度を整えていると、ボウルに山盛りに盛られたざくろが出てきて、ザクロで水分補給しました。
20ユーロでできる体験としては、とにかく面白かった「ペルシアン・バス」。
エスファハンで観光の際は、ぜひ体験して欲しいと思います!
女性は水着(ビキニの下だけ)持参すること。あとは手ぶらでOKです。