昼間はあまりの暑さにヘロヘロになっていたのですが、「こんなことではいけない、もっとヤズドを楽しまないと!」と思い、ゲストハウスのスタッフ、ナリゲスちゃんに「何かいいツアーはないかな?」と聞いてみました。
すると、砂漠のナイトツアーがあるとのこと。
(確か)25ユーロくらいで、午後6時くらいからのスタートだそう。
「それに行きたい!」と申し込んでみました。
ヤズドの砂漠は、ヴァルザネより広大だった
夕方18時ころ、迎え来たタクシーに乗り込んで一路、砂漠へ向かいます。
ヤズド自体が砂漠の中の町ということもあり、30分くらいで「いかにも砂漠」な雰囲気の場所へ。
ここでももう十分砂漠だと思ったのですが、正面に見える山のふもとに到着すると、ちょっとしたレジャー施設のようになっていて、4WDで砂丘をドライブするアクティビティやらくだに乗ることができます。
ここでもまたらくだに乗るお散歩コースを申し込んでみたのですが、けっこう高くて(たしか50万リアルくらい求められた……ぼられてるのかなと思いつつ、これは観光客価格なんだろうなと諦め半分で支払った)驚きました。
こちらが、私が乗ったらくだちゃん。
おとなしくてかわいいです。たくさん撫でさせてくれました。
まあ、乗る距離なんてほんとうにわずかなので、わざわざお金払ってまで乗らなくても良かったかなと今は思います……。
さて、私がらくだに乗って戻ってくると、タクシードライバーはこのレジャーパークの従業員と歓談中。
他に見るものも無さそうだったけれど、これで帰るのももったいないので、ひとりで砂丘に登ってみました!
ヤズドの砂漠はヴァルザネよりも規模が大きいように感じます。
昼間はあんなに暑かったけれど、日が傾き始めたこの時間はとても心地よい温度。
砂丘を歩いていると、この近くでホテルを経営しているというおじさんが話しかけて来てくれて、しばしお喋りを楽しみました。
イランの人は本当にフレンドリーです。
日本では、海辺でしか見ることができない風紋。
サンセットを待って砂丘の一番高いところを目指すと、砂丘で楽しそうに遊ぶ15人くらいのグループを発見。
大人から子どもまでいるので、「親戚の集まりかな」と思いつつ、砂丘のてっぺんで日が落ちていくのを眺めます。
あっちを見ても、こっちを見ても、砂!砂漠!
空も晴れていて気持ちいい!
気付くと、砂丘で遊んでいた先ほどのグループが私の隣に並び、「靴を脱ぎなよ」と声をかけてきました。
劇団の皆さんと砂漠でお喋り
彼らは皆はだしで「きもちいよ」と誘います。
彼らの真似をして私も靴と靴下を脱いではだしで砂の上に立ってみると……
きもちいい!!!
乾いたあたたかい砂が、すごく気持ちいい!!
皆さん、砂漠でははだしで、ぜひ!!!
はだし、超おすすめ。
砂がサラサラだからすぐキレイになるし、そういえば後から思い出したのですが、砂にはデトックス効果もあります!はだしで砂の上に立つだけで、体がデトックスされているんです。
……と、素足で砂漠に立つことに感激していると、彼らが私の足を砂の中に埋めようと、足元に砂をかけてくれました。
「もっと気持ちよくなるよ!」
って!
そこから、「どこから来たの?」「ひとりなの?」とおしゃべりが始まりました。
一緒に日が沈む空を「きれいだね」と眺めながらお互い自己紹介。
すると、親戚の集まりだと思った彼らは劇団で、明日と明後日、ヤズドで公演を行うのだそう!
「子ども向けのお芝居なんだけど、良かったら見に来る?」
と誘ってくれ、とても興味があったので、劇場の名前をメモしてもらいました。
すっかり日が落ちて暗くなってから、一緒に砂丘を下ります。
とてもフレンドリーな彼らは、イランのおすすめの場所の写真をたくさん見せてくれました!
これからピクニックをするという彼らに混ぜてもらい、紅茶とケーキもご馳走になって、こうも簡単に仲間に入れてくれる優しさに感激。
「ひまわりの種の食べ方」もここで初めて教えてもらいました。イラン人はひまわりの種やナッツをよく食べているのですが、この時もらったひまわりの種がとってもおいしかった……!
タクシーの運転手を待たせていたので、まだピクニックを続ける彼らとは「また明日」と別れ、真っ暗の砂漠の中をヤズドに戻りました。
この時、ヤズドに戻る道中で道に迷っているファミリーに遭遇。彼らに声をかけられた運転手さんが街まで彼らを連れて走るという場面も。イランを旅していると気付くのですが、何か困ったことがあったとき、皆、とても自然に「その辺にいる町の人」に声をかけて聞き、誰もが親切に答えます。
日本だと「犯罪に巻き込まれるのでは」ととっさに警戒する人が多いと思うのですが(特に都会では)。イランの「困っている人には自分ができる範囲で声をかけて助ける」のが当たり前になっている空気がとても居心地よくて、すてきだなあと何度も思いました。
劇場は、まさかの幼稚園!
さて、翌朝。
ゲストハウスからタクシーで、昨日教えてもらった劇場まで向かったのですが、到着した先はまさかの……
幼稚園でした!
とはいっても、私たちがイメージする日本の幼稚園とは違って、イランの幼稚園はとても巨大。
日本の小学校くらいの大きさがあって、幼稚園内に
こんな本格的なステージまでありました。
うん、これは劇場だね。間違いない。
さて、幼稚園としてもまさか外国人が来るとは思わなかったよう。受付で昨晩書いてもらったメモを見せ「彼らの友人。彼らに招待されて来た」と伝えたところ、驚きながらも「せっかくなので」と幼稚園内を案内してくれました。
子どもたちと記念撮影も!
子どもたち、めっちゃ警戒して顔がこわばってます……(笑)
この後、1人の先生が「今日の演目はイランでは有名な童話なんです」と、その物語が書かれた絵本を広げて、私のために英語で読み聞かせをしてくれました!
すっごい……優しい……(でも私の英語力では半分くらいしか分からなかったんだけど(-_-;))
けれど、事前に先生がストーリーを教えてくれたので、お芝居の内容もなんとなく理解できました!
子ども向けだけれど、けっこう本格的です。
昨日砂漠でワイワイ騒いだ彼らが、衣装を身に着けてメイクをして違うキャラクターを演じているのが、とてもすてきでした。
とても雰囲気のいいカンパニー!
お芝居が終わったあと、なんと舞台の上に呼んでもらい……
一緒に記念撮影!
素晴らしい体験をさせてもらいました。
どうもありがとう!
ちなみに右端の女優プリシマはレポーターとしてテヘランのテレビに出ているようで、Instagramで仕事の様子をときどきアップしています。どんどん活躍してほしい!