移住・他拠点ワークという選択肢 離島・大崎上島サテライトオフィス見学ツアーレポート

在宅で仕事ができるフリーランスの場合「ネットがつながれば仕事をする場所は問わない」という人も少なくありません。

より生活コストの安い場所や環境の良さを求めて移住をするという選択肢も出てきます。

私自身も東日本大震災のあとから移住を考え始めたのが、在宅ワークという働き方を選択した理由の一つです。

 

けれど、移住となると「どこに住むのか」「そこでうまくやっていけるのか」「地元の人と仲良くなれるのか」「受け入れてもらえそうなのか」というさまざまな心配事も出てきます。

「移住したい」「したい」と言いながら、具体的な行動をほとんど起こしていなかったのですが

今回、ご縁があって大崎上島町のサテライトオフィス見学ツアーに参加させていただきました。

大崎上島町ってどこ?生活できそうな島なの?

大崎上島町は、広島県竹原市のすぐ近く。瀬戸内海に浮かぶ離島です。

島の全周は約35km。

その中に約7500人が暮らしています。

ほかの多くの地方の町と同じように高齢者が多い島ですが、ここ数年、移住してくる人が増えているそうで、町としても移住者を後押しする政策を取っているとのこと。

 

離島と聞くととても不便な暮らしをイメージします。しかし、大崎上島町は広島空港から車とフェリーで約1時間。

「東京に日帰りできる離島」

だと、島の方が話してくれました(ま、1泊したほうがゆっくりできるけどね)

また、本土と大崎上島町を繋ぐフェリーも複数の場所から数多く出ていて、便も多く、人間だけなら往復700円ほどで本土に渡れます。

さらに島にはスーパーやドラッグストア、ホームセンターもあり、暮らしには不自由しなさそう。

在宅ワークをするうえで一番の問題となるネットも、島には光ファイバーが通っていて、100M で通信できる環境が整っているということでした。

ただ、私が利用しているWiMAXのモバイルWi-Fiは島では電波を受信せず。

島内の自宅外で通信するためにはスマホの電波が頼りになります(スマホの電波状況は問題ありませんでした)

島には太陽光発電パネルがたくさん設置されていました

10名の参加者で島内バスツアー

10月30日、31日の2日間を使って行われてたツアーは、大崎上島町が島内に用意したレンタルサテライトオフィスの見学を目的としたもの。

町としては、東京や大阪、広島などに本拠地を置く企業が島に支社を置くことで、そこに雇用が生まれ、仕事に伴って若い世代が移住してくれれば島が活気づく、という目論見があります。
また、島に雇用が生まれれば、島の学校を卒業した子どもたちが島を出ず、そのまま島に残って働き続けることができます。

一方のツアー参加者は、私のようにフリーランスで働く個人事業主もいましたが、企業経営者、仕事のため定期的に島に訪れているという大手企業の方もいて、多彩。

年齢も高齢者から20代と幅広く、バラエティに富んだ顔ぶれとなりました。

空港でピックアップしてもらったあと、港で広島方面からやってきた参加者と合流し、フェリーに乗って島へ渡ります。

古民家を使ったレストランで美味しい昼食をいただいたあと、町役場の会議室に移動。今回のツアーについての簡単な説明を受けてから、バスで町を案内してもらいつつ、移住をした場合・オフィスを移転した場合の住む場所を見学しました。

こちらは町が建築した「お試し物件」、トライアルハウス大串。

真新しいおしゃれな一戸建て

島に移住したい人が「試しに生活したい」という場合に限って利用できます。お値段は格安で、1ヶ月約3万円。1週間~3カ月利用可能。

かなりきれいで環境も良く、「住みたい!」という声が参加者から上がりました。

ロフト部分は畳敷き

上から見下ろしたところ

続いて空き家バンクに登録されている古民家(というか、古い住宅)に移動。

とにかく大きな一戸建て。築40~50年くらい?

こちらは家賃3万円で、1階に16畳ほどの和室、その奥にもう一つ和室、玄関ホールを挟んで6畳ほどの洋間。私は見ていないのですが、2階には3部屋ほどの洋間があるそうです。

とにかく広い!!!

かなり広い物件で家賃も格安ですが、畳がだいぶ傷んでいるので少し手をいれないと住むのは難しいかな、という印象を受けました。

この物件は住んでもいいしオフィスとして使っても良いとのこと、

私のような個人事業主や小さい規模で会社をやっている人からは「シェアオフィスとしてなら使えるけれど……」という反応。

一人だと広すぎるんですよね。

けれど広い庭があり、裏は山。

とても環境には恵まれていて、田舎の良さは味わえます。

 

その夜は宿泊施設のホテルへ移動し、名刺交換会を兼ねた懇親会へ。

ここで、町の観光協会事務局長を務める若い男性とご挨拶させていただきました。

なんと彼も今年の5月にIターンで島へやってきたという移住者。

聞けばシェアハウスに住んでいるとのこと。

シェアハウスがあれば必要なものだけ持って移住すればいいので引っ越しも簡単だし、なによりそこで交流できるから「すごく寂しいことになるかも」という不安がありません。

画期的!

ちなみに今はシェアハウスが満員だということでしたが、シェアハウスのオーナーさんがゲストハウスの運営も今後予定しているとのことで、「若い世代が一人で入ってきやすい環境が整いつつあるのかな」

という印象を受けました。

かなり広いサテライトオフィス、レンタル料は無料

翌日、宿泊したホテル清風館のすぐ近くにある船の博物館を訪れ、町の歴史や見どころとなる場所を教えてもらいました。

この博物館の見どころの一つは、島を撮影した美しい写真がたくさん飾られていて、その写真をコマ送りのようにして作った動画が視聴できるというところ。

この動画がとても美しくて、本当に癒されました。

それから、海岸沿いにあるサテライトオフィスへと移動。

この建物の2階部分だけレンタルできる

サテライトオフィスとなる建物は商工会議所が所有するビルで、1階は倉庫として使用されており、レンタルできるのは2階のみとなります。

……が、広い!

とにかく広い!

すごくきれい!景色もいい!そして広い!!!!

従業員20人くらい余裕で入りそうな広さ。

そして、かなりの予算をかけてリフォームされたとのことでとても綺麗です。

窓からは海と島々が一望でき、とても良い環境。

ネットもこの視察の翌日から繋がるとのこと。

このレンタルオフィスを借りられるのは、1日から最大3ヵ月。無料です。

スゴイ!

……でも、広い。広すぎる。

これだけの広いオフィスを必要とする企業ってあるのだろうか?

 

ちなみにこのレンタルオフィス、シェアは不可とのことでした。

そこから徒歩2分くらいの場所に、統廃合で使わなくなったもみじ銀行の支店があり、そこも今後レンタルオフィスとして使おうと考えているとのことで、そちらも見せていただきました。

元銀行だけあって、建物はすごく頑丈そう。そして中には金庫なども残っています。

閉店後、一切手を加えていないとのことで、リフォームはまだ先。中は雨漏りのあとが……

雨漏りのあとが。今後リフォーム予定とのこと

 

……が、そこで参加者の男性がひとこと。

「ここだと、東京で仕事をするのと変わらない」

そうなんですよね。

だって、どうせ島に来るなら、「島らしさ」を感じながら仕事したいじゃない?

ちょうど、この廃銀行の向かいに、同じく誰も住んでいない二階建ての古民家があって、そっちが借りられるのであれば、そちらをレンタルシェアオフィスにしたほうが、よっぽど魅力的だし、人を呼べそうだと感じました。特に、私のようなフリーランスは集まってきそう。

古民家改築レンタルシェアオフィスなら、すごく参加したい。

 

ちょうどこの廃銀行の前の通りが、昔の建物の残る一角で、少し散策して街並みを見学。

確かに、とても雰囲気のある日本家屋が残っていて、すごくステキ!

木造三階建ての建物が残る路地。明治~昭和初期はこんな建物が並んでいたそう

けれど手入れされず、誰も住んでいない家も多くて、本当にもったいないと感じました。

大崎上島は生活の島で、観光に力を入れているわけではありません。

すごく魅力的な昔の日本の風景がたくさん残っていて、それが年月とともに次第に風化していく……、その過程をまさに、ちらっとのぞかせてもらったという感覚。

観光地化されていないからこその風景が魅力的でもあり、寂しくもありました。

 

その後、観光案内所で島に移住してきた方たちとの交流会があり、今回の視察ツアーは終了。

 

フリーランスワーカーとしては今回見せてもらったサテライトオフィスは使えないけれど、1人で、または家族を連れて移住するには良さそう、という印象です。

単身者用のアパートがもう少しあって、古民家がシェアオフィスとして開放されたら……

ノマドワーカーが集まってきそうだな、と思いました。

それから忘れてはいけないのが、人の良さ。

このツアーで島の方をはじめ、たくさんの方とお話しさせていただきましたが、どなたもとても感じが良くて優しかった。人のあたたかさを感じるエピソードも、たくさん教えていただきました。

そういう意味でも、とても暮らしやすそうです。

完全移住でなく、他拠点ワーク

今回のツアーで出会った人達と話していて気付いたのが、完全移住でなくても良いのかもしれない、ということ。

住居を関東に置いておき、生活コストがかからない地方を「もう一つのオフィス・家」と捉えて、行き来するライフスタイルもありなのかな、と。

そんな観点から、自分の今後を検討していきたいと思った次第です。

島の皆様、ありがとうございました!

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