サパに到着して2日目。
ホテルで予約したツアーに参加しました。
朝8時半にフロントに集合、12キロ6時間、ランチとディナーがついているというトレッキングツアー、40万ドン(2000円)
黒モン族はとにかく若く見える!
フロントで待っていると、小柄で可愛らしい女の子が……
「私が今日案内するわ、ズーよ。よろしく」
と快活に挨拶してくれたのですが、どう見ても小学校高学年か中学生……
え、学校行かないの?
と思いながらも、よろしく、とあいさつします。
身長も小柄でたぶん150㎝ちょっと。
ところがトレッキングの最中に聞いてみると、黒モン族のズーはもうすぐ20歳。
4か月前に赤ちゃんを産んだお母さんんです。
……見えない!!!!
ぬかるんだ山道を歩くトレッキングで、全員滑る!転ぶ!
さて、ズーが案内してくれるチームは、私とカナダ人のカトリーヌ、ロシア人のアナスタシア、そしてアメリカ人の女の子(いろいろあってお互い自己紹介せず)の4人。
全員一人旅の女同士という組み合わせ。
トレッキングの日はみごとな快晴だったのですが、実は前夜の遅い時間、かなり激しい雨が降っていました。
朝になってアスファルトの道路は乾いていましたが、トレッキングする山道はまだぬかるんだまま。
かなり険しい道なき道の斜面を降りた後、山の中の獣道を歩いていきます。
日差しは強いけれど、温度はそれほど高くなくてカラッとしているので汗びっしょりになることもありません。
でも足元はぬかるんでいて、滑る滑る!
私たちのチームには、ズーのほかにズーのお母さん世代(だと思われる)女性と、赤ちゃんと背負ったズーのおばあちゃん世代(だと思われる)女性、合計3人の黒モン族がついて案内してくれたのですが、あまりに危なかっかしい私たち。
彼女たちが手を取って先導してくれます。
けれど全員みごとに、滑って足元をぐちゃぐちゃにしたり、転んだりしていました……。
そんななか、ズーはスニーカーでしたが、おばあちゃんは長靴(しかも赤ちゃんおんぶ)、おかあさんはつっかけサンダル。
そんな足元でひょいひょい山道を歩いていきます、
……すごい。
ちなみに山道を歩きながら話を聞くと、おばあちゃんとおかあさんだと思われた2人は同じ村の人というだけで、ズーの血縁ではないそう。
そしておばあちゃんが背負っている赤ちゃんが、ズーの赤ちゃん(4か月、ジョンという女の子)だそうで、それまたびっくり……
しかも、ズーの赤ちゃんを背負っている女性の年齢を、アメリカ人の女の子がズーに聞いていたのですが
「たしか、40歳くらいだったと思う」
とズー!
40歳!? 本当に?
と驚愕の返事をするアメリカ人。
私も内心「……えー……! ……私と同世代、っていうか、同級生?」
と思っていました。
紫外線が強い高地で暮らしていると、どうしても肌のダメージが強くなってしまうんだなぁ、と実感……。
けれど赤ちゃんを下ろした後は、背筋もまっすぐに伸びて歩く足取りもしっかりし、確かに若いのかも、と。
ベトナムの少数民族、若いうちはすっごく若く見えるけれど、強い紫外線のために外見が老けてしまうのも早いようです。
ベトナム人のレイアと話して気づいたこと
トレッキングツアーは、他のツアー客も同じルートをたどっているので、そのうち他のツアー客と入り混じって遠足同状態に。
ホーチミン市から来たというベトナム人の女の子、レイアと仲良くなり、私は途中からレイアとおしゃべりしつつ並んで歩いていました。
レイアは大学生で、今回は大学の友達と大人数のグループでサパに旅行に来たそう。
私が一人旅でベトナムに来た、と答えると「一人旅? すごい……ベトナム人は、一人旅はしない」と言っていました。
確かに、アジア人女性の一人旅はまだ珍しいのかもしれません。
ちなみにレイアに名前を聞いたところ、ちょっと迷ってから「レイアって呼んで欲しい」と言っていたので、本名ではなくビジネスネームやニックネームのような感じです。
香港やシンガポールの会社で働く人は、皆「キャサリン」や「ダニエル」など、欧米風の名前を使っています。
会社勤めをしていた際、海外の支店からの電話を受ける機会も多く「台湾支店なら中華系のはずなのに、なぜ欧米風の名前なんだろう?」とずっと疑問でした。その理由が今回の旅で初めて分かりました。
ベトナム人の名前って、日本人になじみがないので、聞いてもすぐに忘れてしまう!
けれどレイアは欧米風の名前で、なんとなくなじみがあるので、かなり時間が経ってもしっかり覚えていました。
さて、道中、お母さん世代の黒モン族の女性が野草を積んで
あっという間にこんな素敵な飾りを作ってプレゼントしてくれました!
ハート形!
すっごくかわいい。
しかも、ゴムなどは一切使っていません。
山道を歩きながら手でヘンプの糸を巻いていたので、おそらくその糸の一部使っただけのよう。
器用です……
マイペースすぎるアメリカ人に、カナダ人がムッとしてロシア人と日本人は様子を見守る
さて、美しい風景の中、トレッキングしていたら写真を撮りたくなります。
それは皆おなじ。
皆、ときどき足を止めては写真撮影をしていたのですが、アメリカ人の女の子の撮影タイムが長かった……!
自撮り、自分を誰かに頼んで取ってもらう、風景を取るのですが、皆が歩き始めても気にせず、納得いく写真が取れるまでその場にとどまり写真を撮り続ける!
少し先で止まって待つのですが、どうやら彼女には「人を待たせている」という感覚が無いようで、一向に撮影タイムは短くならず。
この待ち時間の間にロシア人とカナダ人の同行者とは自己紹介をしておしゃべりをしたのですが、あまりにマイペースな彼女に次第にイライラしてくるカナダ人。
それを困ったように見守るロシア人と私(内心、早く進みたいと思ってるんだけど)
私たちが東屋で座って待っているところにようやく彼女が追い付き、さあじゃあ出発するか、と立ち上がるのと入れ替わりに彼女は空いた椅子に座って近くにいる欧米人の他のツアー客に話しかけておしゃべりを始めるという具合で、度を越した周囲がまるで見えていない態度に驚きました。
トレッキングの道案内をしているズーも最後にはあきれ顔で「待たずに行こう」とうながしますが、本当に彼女一人をおいていくことはできず、私たちに付き添っていた黒モン族の女性が一人、彼女専用の案内役として残ることになりました。
悪気はないんだろうけど……まあ、あんまりいい印象は持てないよね。
サパの棚田は美しかった!
まあそんな具合で進んでいったトレッキングなのですが、風景は文句なしに美しかったです。
5月半ばは田植えが始まるシーズンのようで
いくつかの棚田では青々とした稲の新芽が……
水鳥が水田の中で何やらしきりについばんでいる様子も。
ズーは「虫がたくさんいるから、餌を探しているのよ」と言っていました。
こうやって見上げると、いかにも日本の田舎的な風景なのですが
めちゃくちゃ壮大!
はるか遠くまで続く棚田!棚田!棚田!
規模が違う。
しかも、牛を使って農作業をするなど、機械に頼らず農業をする姿が「古き良き」って感じでたまりません。
道端には野生のバッファローが!
近づいても逃げもせず、どっしりと座り込んでいました。