ベトナム ハノイからラオカイへ夜行列車の旅

私が乗ったのは、21時半ハノイ発、翌日朝5時半到着予定の寝台列車「パンプキントレイン」

列車には21時に乗車し、ラオカイへ向けて出発するのを待ちます。

キャビンにはベッドが4台。

私が一番最初に到着した乗客となりました。

キャビン内にはテーブルがあり、水のペットボトルとお菓子、バナナが用意されていました。

これらはすべてサービスです。

同じキャビンの旅仲間は全員男性だった

自分のベッドとなる下段に腰を下ろしくつろいでいると、眼鏡をかけた白人の男性が。

挨拶をして向かいの下段のベッドに腰を下ろします。

続々とやってくる、同じキャビンの乗客たち。

オーストラリアから来たという細身で眼鏡のダッカ―、ドイツから来た配管工のセバスチャン、そしてベトナム人で昔サパに住んでいたことがあるというおじさん一人(名前を失念)

みんなで下段のベッドに向き合って座り、おしゃべりタイム開始。

……なんですが、残念ながら私の英語力は大したことないので、ダッカ―とセバスチャンの会話があまり聞き取れず。

けれど、ダッカ―はボスニア出身で1992年の紛争を機に一家で移住したそう。

セバスチャンも1989年の東西ドイツ統一を経験しているようで、歴史的な大事件を体験している二人は、いつのまにか当時の話に。

詳細までは分からなかったのですが、それまで笑顔だったのに、二人ともその話題になったとたんに、急に真顔になって声のトーンが落ちたのが印象的でした。

セバスチャンはそのままドイツで生活しているようですが、ダッカ―一家はいろいろ点々としたようです。

この二人がけっこうおもしろくて、セバスチャンは話しながらひたすら事前に買い込んだ缶ビールをグビグビあおり、ダッカーはチョコレートバーをモリモリ食べていました。

あんなにチョコ食べるのにお肌も綺麗なら太ってないってすごい……

私はすでに食事を済ませていたので、途中歯磨きをしに洗面所に行って歯を磨いてきたのですが、同じキャビンの他の人たちは、だれも歯磨きをしませんでした!

歯を磨かずに寝るなんて、私は気持ち悪くて無理!

でもこれが夜行列車の旅のワールドスタンダード?なのかな?

 

私は今回の旅でサパに5日間滞在する予定。

ダッカーは3日間、セバスチャンは1泊2日で、到着後すぐにトレッキングツアーに参加し、サパの少数民族の家にホームステイすると話していました。

外国の人はゆっくり旅をする、というイメージがあったのですが、二人ともけっこうあわただしい感じ……

なんだか意外でした。

夜行列車のトイレは、きれいではありません

さて、歯磨きついでに用を足して戻ってくると、今度はセバスチャンが「トイレに行ってくる」と立ち上がります。

「トイレはどこ?」

と聞かれたので、車両の後ろ(私たちがいるキャビンのすぐ隣)と、車両の前に2カ所、車両の前には洗面所もあることを教えてあげると

「きれいなのはどっち?」

と聞かれました。

正直どっちもどっちだったのですが、車両の前のほうがまだマシだったことを伝えると、「OK」とトイレへ。

トイレのきれいさは気にするんだな~……

 

ちなみにパンプキントレインのトイレは、トイレットペーパーが切れていたのでポケットティッシュ必須です。また、便器も片方はビチャビチャに濡れていました(列車のトイレの中も、ベトナム式に水が出るシャワーがついていたためだと思われます)

いつもポケットに入れていた消毒用ウェットティッシュとポケットティッシュが大活躍しました。

女子の列車の旅には必須です!

夜行列車の中は、Wi-Fi完備!

さて、サパとハノイを何度も夜行列車で往復しているらしいベトナム人のおじさんが「Wi-Fi使えるんだよ」と教えてくれました。

Wi-Fiパスワードは、キャビンの扉を完全に占めると、扉の内側に書いてあります。

電車の中でまさか使えると思っていなかったのでびっくり!

これは扉を閉めなければ気づかないので、扉を開けっぱなしで談笑していたら、寝る直前まで分からないかも……(笑)ですね。

夜行列車での荷物の管理について

私が海外の寝台車で旅をするに際して心配していたのが、荷物の管理。

もし、寝ている間にスーツケースを盗まれたらどうしよう?ということでした。

寝台車では下段のベッドの下にスーツケースを入れるスペースがあり、上段のベッドは、通路の上が狭いロフトのようになっていてそこに荷物を押し込めます。

けれど列車が発車してから寝るまでの短いおしゃべりタイムの中で「この人たちが盗みをするようなことはないだろう」と判断。

4人が一つのキャビンにいるので、盗みをするようなチャンスもないだろうと思い、スーツケースは固定したりせずそのままベッドの下に入れ、貴重品が入ったリュックは、枕と壁の間に押し込んで寝ることにしました。

向かいのベッドの下段を使うダッカーは、スーツケースもリュックもベッドの下に。リュックは頭の下に入れていました。

セバスチャンはお金を裸のままズボンのポケットに押し込んでいました。

それぞれ、貴重品の管理方法が違います。

ベトナム人のおじさんについては、どのように管理しているか、残念ながら見えませんでした。

寝台車は……眠れません!

ワイワイとおしゃべりしていたのですが、22時半を過ぎたくらいでベトナム人のおじさんが「明日の朝は早いから、もう寝よう」とおしゃべりタイムはお開きに。

それぞれベッドに横になったのですが……けっこう揺れます。

それでも昼間の疲れからウトウトするのですが、ちょっと寝たと思うと目が覚めてしまう……

けれど、ベッドはそれなりに柔らかく、シーツや枕カバーも清潔。

車内は寒いと聞いていたのですが、それほど冷えすぎるということもなく、ダッカ―とセバスチャンは「エアコン、稼働してないっぽいよね?」なんて会話をしていました。

掛け布団のあったかくて、寝心地は悪くないのですが……

なにぶん、揺れるので熟睡できません!

何度も目を覚まし、スマホで時間を確認して「まだ12時」「まだ2時」なんて具合に寝て起きてを繰り返しました。

やがて5時になるとキャビンのドアがノックされ、ドリンクサービスのお姉さんがやってきます。

ドリンクはコーヒーが2万5000ドン、紅茶が2万ドン。

私たちのキャビンでは、ダッカ―が全員分をスマートに払ってくれて!(紳士だ……!)しかもチップまで渡していました。

すごいな。

さすが、チップの習慣のある国の人は、何から何までスマートだわ。

おごってもらったお茶をすすりながら「眠れた?」と聞くと、全員が「揺れて何度も目が覚めた!」と(笑)

寝台列車で眠れないのは、全国共通のようです。

車窓の外はだんだんと明るくなってきて、5時半過ぎ、列車は無事にラオカイへ到着しました。