ホステルが手配してくれたテヘランからのツアー、ラストポイントはカーシャーンでした。
地球の歩き方では、カーシャーン書かれているページはあるものの、あまり多くの紙面をさいていません。
また、日本人旅行者は短い日数で旅行をしなくてはいけないことから、カーシャーンはスルーしがちのようです。
実際、私がイランで会った日本人で「カーシャーンに行った」という人は少数。反面、フランス人をはじめとするヨーロッパからの旅行者は多くがカーシャーンを訪れています。
このカーシャーン、行かないのがもったいない!というくらい、ものすごく素敵な町でした。
そして、宿泊したホテルもすっごくすっごく素敵だったのでご紹介します!
トラディショナルハウススタイルのNoh Cham Boutique Hotel
私が宿泊したのは、中心部から少し離れた場所にあるNoh Cham Boutique Hotel。
離れていると言っても徒歩圏。バザールや広場から歩いて10分くらいなので、遠くはありません。
カーシャーンは泥とレンガで作られた古い町並みがそのまま残っている場所も多く、その保存状態もとてもきれい。多くの人が昔ながらの建物で生活しています。
Noh Cham Boutique Hotelもそんな旧市街地の中にあるのですが、あまりに分かりにくい場所だからか、信号がある表通りからホテルがある裏通りに入る小径の入り口に、ホテルの名前が書かれた看板が出ています。
1人だったら、ぜったい見つけられなかった!
私はツアーガイドくんにホテル名を伝え、彼がスマホにホテル名を入力してナビで到着したものの、彼も「本当にここ?」とちょっと不安げでした。
この看板通りに進むと木でできた大きな門とインターホンがあり、インターホンを慣らすと扉が開錠されて中に入れます。
ちなみにドアの左右にはそれぞれ「コンコン」とたたく金属が付いてるのですが、ここまで一緒に来てくれたツアーガイドくんの話によると、向かって右の大きな「コンコン」は男性用、向かって左の細い「コンコン」は女性用とのことでした!
「コンコン」をしてみたものの返答がないためしばらく「どうしよう」とおろおろしていたときに、ツアーガイド君がインターホンを発見。インターホンを押したらあっさり扉が開きました(汗)
土づくりの狭い階段を下りていくと…
なんと、広い中庭を持つ民家の2階!
入り口に近い1部屋がフロントになっていて、若い男性スタッフと黒髪の女性スタッフいて、温かい笑顔で迎えてくれました。
私が予約した部屋は「2階のシングル」。
それがこちら!
エメラルドグリーンの掛布団と、同じ色を使った遊牧民の絨毯が敷かれていてとてもおしゃれ!
こじんまりしていますが、冷蔵庫や金庫のほか、蚊を殺傷するスプレーもあって、気遣い度は最上級。
ちなみにこちら、トイレとシャワーは共同なのですが……
なんと、バスタブがあります!
シャワールームもとてもきれいです!
さらにさらに、このNoh Cham Boutique Hotelの素敵なところは……
こんなに素敵なウェルカムドリンクがいただけるところ!
イランは紅茶の国で、基本的に人々が飲むのは紅茶。
この紅茶にはかならず砂糖が添えられていて甘くして飲むのがイラン流です。
今回は、氷砂糖で覆われたスティックが出てきたので、
氷砂糖スティックでクルクルして
おいしくいただきました!
日本にいるときは甘い飲み物を飲むことはあまりないのですが、イランの乾燥した空気の中で飲む甘い紅茶はとってもとってもおいしい♪
ちなみに紅茶に添えてあるのはクッキーとデーツです。このデーツもすっごくおいしかった!
日本でもデーツを買ったことがありますが、全然違う!ドライなんだけれど瑞々しさを含んだデーツでした。
クレジットカード払いで事前予約できた超ありがたいホテル
イランはクレジットカードが使えません。
正確には、イランで発行されたクレジットカードなら使えるけれど、私達が普段日本で使っているクレジットカードは使えません。
が!
こちらのホテルでは、日本で使っているクレジットカードで決済できます!
とてもビックリで、私が知っている限りでは、カード決済できるホテルは、イランではこちらだけです。
どうやって決済するかというと……
Webから、予約時に!
https://booking.apochi.com/nohcham-boutique-hotel/
こちらのオンラインブッキングのページで、予約と一緒に支払もするようになっていて、クレジットカード情報を入力する項目があります。
私は最初「これもイランのカードじゃないとだめなんだよね……」と思い、他のホテルの予約と同じようにホテルにメールを送ったのですが、ホテルから「オンラインで予約できるよ」という返事が。
「私、外国人だけど?」と思いながらも、オンライン予約を試してみると、入力したカード情報が無事認証され、予約できました!
イランのホテルは、エクスペディアやブッキングドットコムに登録されていないので、ホテルと直接メールでやり取りし、支払はチェックアウト時に現金で、というのが一般的なのですが、カード払いができるホテルがあるというのはとても助かるし心強いです!
イラン国内ではカードが使えないため、持って行った現金だけですべてやりくりしなくてはいけないのですが、「もし万が一途中でお金が足りなくなったら、とりあえずカーシャーンのこのホテルを予約して、オンラインで決済すれば、寝る場所はしのげるし朝食も食べられる」と、ある意味避難場所のように考えていました(笑)
朝食も素敵で大満足♪
この日、宿泊客は私1人だったにもかかわらず、翌朝の朝食ではこんなに見事なイラン式モーニングが用意されていました。
ブッフェスタイルなので食べ放題です!
紅茶が飲みたい、とスタッフさんに伝えると……
下からろうそくの火で温めるティーポットで紅茶を淹れてくれました。
もちろん、ティーバックではなくちゃんと葉っぱから淹れる紅茶です。
そして用意された壺の中には、角砂糖が!
この角砂糖は大きさがバラバラでとても硬いです。イランの人は、この砂糖を前歯の間に挟んだまま紅茶を飲み、口の中で砂糖がゆっくり溶けていくのを楽しみます。
日本ではありえない飲み方なのですが、イランで飲むと、これがまた、とびきりおいしいんだぁ~♪
こちらがホテルの1階の中庭です。
中央に水槽があり、涼やか。
レストラン(というか飲食スペース)がありますが、1階はWi-Fiが弱くてなかなかつながらないのがネックでした。
こちらのホテル、数百年前のトラディショナルハウスを改装し、半年ほど前(2018年年末ころ)オープンしたとのこと!
リフォームしたばかりなのでとてもきれいで、居心地も良いです。
ほんと、おすすめ!
また泊まりたい!
日本人の多くが立ち寄ることのないカーシャーンですが、町の人の素朴さと親切さ、タクシーの値段の正当さ(カーシャーンではぼられませんでした)、古い街並みの保存状態の良さ、全てがとても素晴らしくて居心地が良かったです。
私の中で、イランで一番良かった町、もっと長く滞在したかった町はカーシャーン。旅の途中で会ったポルトガル人の女性も「私もカーシャーンが一番好き!」と言っていました。
イランの素朴な雰囲気の中でゆったり過ごす時間も楽しみたい、という方には、カーシャーン、とってもおすすめです。