私はこの日、4~5時間くらいかけてバザールの中とその周辺を歩きまわりました。
歩けば歩くほど、知れば知るほど、イランのバザールは面白かった!
バザールの中は台車(リヤカー)で荷物を運ぶ
バザールの中の通路はとても狭くて、石畳で、車が入れるようなところではありません。
そのため、バザール内にはこんなふうに、台車に荷物を載せて人力で運搬しています!
すれ違うのも大変そう、と思うのだけれど、ここで働く人達は慣れたものなのか、けっこうサラッとすれ違います。
店先の商品にぶつかったりもしないのがすごい。
その合間をうまく抜けて通り過ぎていく人たち。
正直ちょっと怖いのですが、彼らのあとについて台車の間をすり抜けます。
一緒に混雑すり抜けをしていたおじさんが「気を付けてね」「こっちを通るといいよ」というふうに(多分)声をかけてくれたり、手招きしてくれたりしました。
イランの人は本当に優しい!
良い感じに時代を感じる場所や、憩いの場所も
テヘランの巨大なバザールにはいろいろな顔があって、こんな風にわりと最近作られたと思われるきれいで新しいところから
古い造りそのままで使用されている、「昔懐かしい」感じのエリアまでそれぞれ。
良い感じに「ペルシャ」の雰囲気が感じられるエリア。
そして、バザールの中はひたすらこんな通路が続くのかというとそうではなく、ちょっと横道を見つけて入ってみると……
こんな風に、緑が植えられた中庭があったりします!
ちょっとした憩いの場所だね!
ちなみにエスファハンのバザールでは、こうした中庭にカフェがあって、そこで一休みできましたが、テヘランでは「中庭におしゃれなカフェ」は見つけられませんでした。
とは言っても、私がバザールを歩いたのはほんの数時間なので、私が行っていないところにはあるかも。
バザールの外に出てみる
ひたすらバザールの通路をまっすぐ歩き続けると、反対側の大通りに面した入り口(出口)に出ます。
広い歩道の車道よりにはバイクがたくさん駐輪されていますが、整然ときれいに並んでいるのが、去年訪れたベトナムとは全然ちがうなと感じました。バイクをきれいに並べて停めておくのは日本にちかいかんじ。
ちなみに、バイクが歩道を占領して歩行者があるけないということもありません。
なぜか、ほぼすべてのバイクに風よけ?ような透明のボードがついています。
通りに面したお店をのぞいてみると、ミシン屋さんが非常に多いことに驚きました。
ミシン台(だと思われるもの)ばかりを置いている店もあり、イランの人にとってミシンはとても身近で必要な家電なのだなと感じます。
確かに、バザールにも布を売るお店がすごく多かったので、洋裁もごく一般的な趣味?というか家事なのでしょう。
外の通路にはこんなふうな……なんていうの、こういうの。
とにかくこういうのがあって
左側の逆U字は、人がすり抜けるのがいっぱいいっぱいな幅です。
なので、車はもちろん、バイクや自転車は入れません。
逆U字の隣のは何だろう?と不思議に思っていたのですが、荷物を運ぶ台車がすり抜けていたのを見て、「間の溝は、台車のタイヤ通過用か!」と納得しました。
台車だけでなく、ベビーカーも(ちょっと苦しそうだったけど)通過させているファミリーも見ました。
日本の歩道にも、こういうの設置すると良いかもね。
ちなみにこちらは車道側ですが
これからバザールの中に運び込むのであろう荷物がここで下ろされています。
ものすごい段ボールの山が車道を埋め尽くす!
それでも歩道に置かないところが、なんだか「いいなあ」と思うのですよね……
車道はというと
すごい混雑!
しかもイランにはあまり信号がないので、車の間を堂々と人が縫うように通り過ぎます。
最初は「怖い!」と思ったけれど、現地の人の後にくっついて私も横断。
時々、そんな私に気づいたイランの人が手を取ってくれて、一緒に渡ってくれました。
ほんとうに優しい……
中には、一度こちら側まで横断してきた後で、なかなか道路を渡れずにいる私の手を取り、私を連れて反対側まで戻ってくれた人もいました(白い手袋の若い女性で、とても感激しました。ここまで親切にできる人って、日本にいる!?)
まあ、イラン滞在の最後には私もだいぶ強くなって(慣れて)道路を横断できるようになるわけですが。
ありがとう、イラニアン!
バザールの中でトイレを探す
さて、数時間歩き続けていると、当然行きたくなるのが「トイレ」と「ご飯」。
まずはトイレが先だと、キョロキョロしてみるけれど、それらしいものが見当たらず……
バザールの中には、5階建てくらいのデパート的なバザールもあり「ああいう中なら、トイレあるだろう」と入ってみたものの、見当たらず。
ちなみに、そのデパートのエスカレーターには、「上り」の前にこういう風にポールが経っていて、大荷物を持ったままエスカレーターには乗れないようになっています。
ちょっと大きい人でもすり抜けるのはきつそうです。
たぶん、「荷物の搬入はエレベーターを使ってね!」ということなのではないかと推測。
それはいいけれど、トイレ!
ついに業を煮やして、店員さんにトイレの場所を聞くことに。でもできれば女性の店員さんがいいな、と思ってお店をのぞくのですが……
男性の店員さんばかり。
女性の服を売っているお店でも、店員は男性。子供服のお店でも店員は男性!
困ったな、と思いつつももういいや!と「トイレどこ?」と店番中の男性に声をかけると、「トイレ?」と聞き返されます。
バザールの絨毯屋以外の店員さんは英語が分からない人が多いのですが「トイレ」は通じる!
しかもみんな優しくて、ペルシャ語で説明したあとで身振り手振りを付けてくれて、それでもペルシャ語だから私が分からないでいると、エレベーターまで連れて行って降りる階のボタンを押してくれた!
実は、その階で降りた後もトイレがわからず、同じやり取りをいくつかの階で繰りかえした後、少し英語ができる人がいて、「一番上!」と教えてくれて、階段まで連れてきてくれました。
「一番上」は店舗がある最上階のさらにその上で(トイレしかない階)階段でしかアクセスできなかった……
無事に用を足して階段を下りてくると、こんな張り紙を発見。
たぶんこれに「トイレはこっち」って書いてあるっぽい。
ちなみにここのトイレは男女共用でした。
優しいなあと思ったのは、どの店員さんも全員、いったん店番を止めて、店を出て、私を「ここからならわかるだろう」というポイントまで連れて行ってくれたこと。時には一緒にエスカレーターに乗って違う階まで移動して。
これ、日本だったら?
たぶん、店内で口で説明しえ終わりだよね。日本語が通じるというのもあるだろうけれど、もし日本のお店で、外国人のお客さんがきて、同じように聞かれたときに、どのくらいの人が同じようしてくれるんだろう、とちょっと考えちゃいました。
もちろん、日本のトイレはもっと分かりやすいけれど。
あと、たぶんイランは
自分が店から離れて店が無人になっても、誰も黙ってモノを持って行ったりしないし(万引きする人がいない)、隣の店の人がきっと黙って見守っていてくれるという安心感もあるのだろうなと思います。
古き良き日本が残ってる感じ、って言えば分かるかな。
バザールで食事できるところを探す
さて、ものすごくお腹がすいてしまったので
バザールの中で食事できるところはないだろうかと探してみました。
日本だったら、絶対あるじゃない。
でも……
ない!
ない!!
歩けど歩けど、見つからない!
バザールの中のレストラン!食堂!カフェでもいいのに!!!!
散々歩いて、ようやく見つけた食堂らしき看板の矢印に沿って歩くと、地下に続く階段が……
なんか地下はちょっと嫌なんだけど、背に腹は代えられない!
思い切って階段を降りると、そこがもう食堂でした。
中にいるのはイラン人のおじさんたちばかり!
レジに女性がいて、ウェイターっぽい男性がいるけれど、英語があまり通じない。
メニューある?と聞くと指さしたのは壁に掛けられたホワイトボードにマジックで手書きされたペルシャ文字……
やばい、全然わからない。
困ったぞ、と思っていると、1人のお客さんがさっとこちらに歩み寄ってくれて「何が食べたいの?」と笑顔で話しかけてきてくれました!
優しい!優しいでしょ!!
「実は私はベジタリアンで、野菜だけの食べ物がいいんだけれど」
と伝えると、私のかわりに注文してくれて、「ここに座って。飲み物は?」と、飲み物まで手配してくれました。
これが、イランでの初めての外食メニュー。
ほうれん草のカレー?というかもっとシンプルな味わいの泥っとしたスープとココナツライスみたいなもの。あとは生野菜(玉ねぎとハーブ)
ストローが差してあるのはヨーグルトドリンクなのですが、すっごくすっぱくて、正直辛かった……
でもこれ、イラン人には人気のような、いたるところで見かけたし、飲んでいる人もいました。
親切で笑顔が優しいおじさんに助けてもらって注文したこのランチ。
いくら払えばいいのだろうと思ってレジで聞くと、なんと
USD2
と表記。
……え、ほんとに?????
安すぎるでしょ????????
でも、ドルを持っていないので、リアルで払いたいと伝え、リアルに換算してお支払しました。
イランのお食事、安すぎる……!